組子細工/木工芸
建物要素に取り入れられている「木工芸」として組子細工というものがあります。
組子細工は現代の家屋ではあまり見かけることがありませんが、旅館や伝統的な家屋などで「引き戸」「格子戸」「襖」「欄間」「障子」などといったものに使われている木細工です。
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組子に使われる製品は細くて長い部材を必要とするために、比較的まっすくな材料として「ヒノキやスギなど」の針葉樹が使われることが多いようです。
この木材を釘などを使わずに、組み合わせるだけで「花模様」などの模様・デザインを組み上げていく伝統技法です。
組子の文様には様々なものがありますが、菱形形状に組み上げていくものを「菱組子」といい、垂直や水平ラインを基本と下文様を「筬組子・格子組子」といいます。
それぞれの文様様式の中にさらに様々なデザインがあるわけです。例えば菱組子には、「桜」「割菱つなぎ」「麻の葉」などといったデザインが存在しているのです。
現在の課題としてはなんといっても匠の職人技術を伝承していくことではないでしょうか。
「組子細工」は家屋デザインと密接な関係があるがゆえに、「和室」が少なくなってきた現代においての需要が少なくなっているという要素があります。また同時に、機械製品ではなく、ひとつひとつの素材を丁寧に手作業で組み上げていくということから、その価格は安いものとはいえないものとなっています。
組子細工も木工芸品ですから、実際に使われることがあって始めて技術継承が円滑にされていくものとなります。今の生活スタイルの中で活用していくことができる組子細工のアイテムを創造していくことがもっもと大切な要素なのかもしれません。
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